司祭 バリー・ケンズ

この6月の「あゆみ」の表紙は新子安の聖母子像です。箱根の強羅教会が耐震の問題で取り壊しされるため新子安教会がいただいてきました。
聖母子像というのは色々な形があります。形によってある強調を表しています。
たとえば、マリア様が生れたばかりの赤ちゃんイエス様を胸に抱いている像の形の強調は神の母マリアと神であり人間であるイエスの間の母子愛です。
わたしたち新子安のマリア様の像はイエスを差し出すような形をしています。マリア様は次のように言います。「あなたの救い主イエスを受け入れなさい、イエスはあなたの兄弟である」
マリア様の頭の上には冠がかぶらされています。その意味は天国にいるマリア様は、天国の報いをいただいて今も私たちのために祈ってくださいます。マリア様は、わたしたちの天国のお母さんです。
イエス御自身がその絆を決めました。十字架の上から遺言としてわたしたちの代表である弟子ヨハネに言いました。「見なさい。あなたの母です。」(ヨハネ19:26)
マリア様のお母さんとしての使命は、わたしたち子どものために祈ることです。その祈りとは、今この世の旅路の間、特に死を迎える時のためです。
今年の2月11日に教皇フランシスコは、マリア様のために新しい祝い日を決め宣言しました。
聖霊降臨の翌日の月曜日です。(今年は5月21日)その祝い日の名前は「教会の母、聖母マリア」
実は祝い日は新しいけれど「教会の母」の呼び方は4世紀から使われていました。教会というのは組織ではなくわたしたち人間です。
「教会の母」という意味は聖書の中にその土台があります。聖書の使徒たちの宣教の中の場面です。イエスが天に昇ってから弟子たちはユダヤの長老たちなどの反対勢力を非常に恐れていました。また、イエスからの使命「地の果てまで行く」ことを考えて自分たちの弱さをしみじみ感じました。この落ち着かない心をもって泊まっていた家の2階の部屋に上がって一生懸命折りました。
「彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた」(使徒言行録1:14)
この2階の部屋のグループが最初の共同体でした。マリア様は、その中にいて教会の母になりました。
マリア様は、今もわたしたち共同体といっしょに、また共同体のために祈ってくださいます。ですから、お告げの祈りの中で「神の母聖マリア罪深いわたしたちのために今も死を迎えるときも祈ってください」と祈ります。
みなさん、新子安の教会のマリア像を見て天国の本物のマリア様を思い出しましょう。御像というのは、その目的です。例えば亡くなった両親の写真を大切にします。写真をのものを尊敬するのではなく、その写真を見て両親を思い出して尊敬します。御像も同じ目的です。マリア様は、わたしたち新子安共同体といっしょに祈ってくださいます。また、わたしたちがもっと深くイエス様に出会うように祈ってくださいます。
わたしたち新子安のマリア像は「アトメントのマリア像」といいます。
At-one-ment とは一致という意味です。マリア様は、わたしたちがイエス様と一致するように、また共同体の中に一致があるように、キリスト教の中に一致があるようにという強調です。
御像が元あった箱根強羅教会はアトメントのフランシスコ会のヨゼフ・ニューエル神父によって1951年に献堂されました。

アトメントのフランシスコ会の創立者はポール・ワトソン神父です。
創立は1898年ですが最初は聖公会の修道会でしたが、1909年に会員全員がカトリックに入りました。
そしてポール神父様のおかげで今のキリスト教一致週間(1月18日から1月25日)があるのです。また彼は貧しい人のため特にホームレスの人のために熱心でした。
1940年に亡くなって、今、列福運動をしています。わたしたちの隣の鶴見教会はアトメントの教会です。また、アトメント会の神父様はこの新子安教会で1949年から2009年まで働いてくださいました。
マリア様、アトメント会の皆さんのために祈ってください。





