バリー・ケンズ
高い山の崖の穴に鷲 ( ワシ ) の家族が住んでいました。
その巣の中には、お母さんワシと雛 ( ヒナ ) が三羽住んでいました。お母さんワシは三羽のヒナワシに対して、「お前達、大人になるための巣立ちの時がきましたよ」と告げました。
三羽のヒナワシは恐れました。「お母さん、どうすれば飛べるか教えてください」お母さんワシは答えました。「絶壁の縁まで行って、羽を開いて、足でしっかりけって、飛び出しなさい。あとは、風に乗るだけです。」
三羽のヒナは、縁まで行って、高い山の下に広がっている畑を見て驚き、「ああ、お母さん高すぎるよ」「飛ぶなんて無理だよ」「不可能だ」と言いました。だから、その日は飛ばずにお母さんと一緒に安全な巣に戻りました。

翌日 お母さんワシは、「もう一度飛ぶ練習をしましょう」と言って、崖の縁まで行きました。「不可能」「できない」「危ない」とヒナワシは一斉に声を上げました。
すると、お母さんワシは、「こわがらなくてもいいよ。優しい風が、あなた方を運んでくれます。恐れてはならない。私はいつもあなた達のそばにいる。」そう言って、お母さんワシは、羽を風に乗せて、巣の上から飛び立ちました。
三羽のヒナワシは、お母さんの声を聞き、その姿を見て勇気を出して小さい羽を開いて風に乗って飛び降りました。最初はこわごわした飛び方をしていたヒナワシ達もだんだん上手に飛べるようになりました。お母さんと一緒でしたから、安心して勇気を出してやっと上手なとび方になりました。
イエス様は、私達一人一人を愛して、十字架の上でご自分の命を捧げられました。そして、三日目にご復活なさいました。
ご復活のおかげで、イエス様は私たちのそばにいつでもいらっしゃいます。私達の危ないとき、苦しいとき「恐れてはならない。私はあなた方とともにいる」とおっしいます。
まさに、これは私達の希望の泉です。
神からの贈物
ハヤット神父
人は皆何らかの形で苦しみを経験していますが、その苦しみに対する反応は種々様々で、人それぞれの苦しみに対する受け取り方によって異なってくるのです。
人の苦しみに対する態度に次の三つが考えられます。
第一のタイプは不平訴え型で、いつも苦しみや恨みなど、文句いっぱい言いますので、周囲の人々まで苦しみに巻き込んでしまいます。これこそ人が苦しみに出会った時に取る最低の態度です。
第二のタイプは忍耐型です。このタイプの人は苦しみを耐え忍びます。苦しみに際してこのような態度をとることのできる人には苦しみは益となり忍耐によって人格は高められるのです。
第三のタイプは苦しみを神からの贈り物と考えられる人で、これが苦しみに対する最善の方法といえましょう。
もちろんこれは信仰の力なしでは到底不可能です。信仰深い人は神が慈愛に満ちた御父であり全人類の幸福を願っておられるのを知っています。また、同時に、このタイプは人間が罪人であるがゆえに苦しみによってその罪を償わなければならないことも知っているのです。それで第三のタイプの人はただ苦しみを耐えるだけでなく、罪を償い、神とより親しく一致するためのチャンスとして歓迎します。
この種の人は絶えず自分をキリストの苦しみと結びつけて考え、試練を通して多くの有意義なことを学ぶのです。それは精神の復活であり新しいより良い生活への第一歩なのです。

「心のともしび」から 掲載の許可を得ています




