イエスは復活して今生きておられます

あゆみ 2025年 5月号

イエスの受難は私たちのため励ましになります。イエスの復活は私たちのため希望になります。希望の巡礼者になりましょう。皆さん、ご復活おめでとうございます。

皆さんにお願いがあります。
それは、もう一度、私たち新子安教会の玄関のステンドグラスの前に立ってそのシンボル的な絵をよく考えましょう。この『あゆみ』の表紙にも載っています。
その場面は、真ん中に復活したイエス様、左側には女性の姿、右側には男性の姿があります。イエスはその二人と手をつなぎ共に道を歩んでいます。
その場面のイエスは今、私たちの中に生きておられます。復活されたイエスは私たちの人生の道の同伴者です。
言い伝えによると、イエスは復活してからすぐ、お母さんマリアに現れて感謝と慰めを与えました。
これから聖書を開いて復活後の意味深い場面を考えましょう。

第1の場面
イエスは復活してイエスの墓の前で泣いているマグダラのマリアに現れて彼女の名前「マリア」と言われて同時に彼女の信仰の目を開いてくださいました。
マグダラのマリアは私たちの代表者です。イエスは私たち一人一人を知って、一人一人を愛して、一人一人に関心をもって私たちの個人の名前をお呼びになります。祈りの静けさの中でその優しい呼びかけの響きを聴きましょう。
イエスはこの世の生涯の間に人の名前をよく使いました。
たとえばザアカイ、マルタ、トマス、ペトロ。
イエスはイザヤの予言の実現です。
「わたしは神、わたしはあなたの名前を呼ぶ、わたしの目にあなたは価高く、尊く、わたしはあなたを愛している。恐れるなわたしはあなたと共にいる」(イザヤ43)

第2の場面
イエスの弟子の二人は、イエスの十字架上での死を見て、非常にがっかりした。彼らが自分たちの家のあるエマオに帰る途中、イエスはその二人と一緒に歩いて親しい話し合いと聖書の深い意味を説明なさいました。
その二人の弟子は私たちの代表者です。復活されたイエスはいつも私たちのそばにおられて人生の道を一緒に歩んでくださいます。私たちは決して一人ぼっちではありません。その親しい繋がりをもってよく祈りましょう。

第3の場面
復活されたイエスは時々弟子たちの中に現れました。それは入り口を使わずに急に弟子たちの真ん中に現れました。「あなたがたが平和であるように」と祈りの挨拶なさいました。
弟子たちは恐れて「幽霊だ」と考えました。その時代は人の死後、人の幽霊が現れるのは罰のためだと考えられていました。イエスは罰する神様ではない、そのかわりに平和、安心、喜びの源です。けれど、弟子たちは少し疑っていたのでイエスは弟子たちを安心させるために干し魚を食べて見せました。幽霊なら食事はしないからです。
その思いやりの行いの意味は「本当にわたしはイエスだ」と教えるためでした。
その弟子たちは私たちの代表者です。イエスは私たちの平和の泉です。
自分の心のための平和、家族、親戚、友だちの中の平和。家庭でも、学校でも、職場でも、日本でも世界でも、平和のために祈りましょう。

第4の場面
その時、一人の弟子トマスは居ませんでした。どうしてでしょうか?彼は疑い深く、頑固で弟子たちのグループから逃げていたりです。
イエスがもう1度現れると、そこにはトマスも居ました。
イエスはトマスを叱りませんでした
非常に優しい理解に満ちた接し方でした。
そのおかげでトマスは深い信仰の祈り
「わが主、わが神よ」と言いました。
トマスは私たちの代表者です。
イエスは現代の私たちにも同じ接し方をします。

第5の場面
ペトロは12人の弟子の頭でした。最後の晩餐で彼はイエスにこのように言いました。
「わたしは死ぬまであなたの忠実な弟子です」
けれどその夜ペトロは3回イエスを否認しました。
女中の前で「わたしはイエスを知らない、全然関係ない」と3回言いました。
復活されたイエスはある時、ペトロのために朝食を準備してその優しい雰囲気の中で「ペトロ、あなたはわたしを愛しているか?」と3回質問しました。ペトロは「イエスよ、わたしはあなたを愛している」と3回答えました。
ペトロは私たちの代表者です。
復活されたイエスは現代の私たちにも同じ慈しみ深い態度をおとりになります。
祈りの中でこの優しいイエス様に出会いましょう。
皆さん、ご復活おめでとうございます。

ステンドグラスアーティスト松田日出雄の作品を見てみましょう。中央の主役は復活した主です。しかし、左には女性の輪郭、右には男性の輪郭が描かれています。イエスは彼らの手を握り、共に歩んでいます。その未完成の輪郭は、あなたと私です!
復活とは、イエスが今ここに生きているということです。イエスは私たちの手を握り、人生の道を共に歩んでおられます。私たちは決して一人ではありません。復活された主は、生き生きとした声で一人一人にこう言われます:「恐れるな!私はあなたと共にいる。」イエスのこの生き生きとした励ましの言葉は、常に永遠の現在形です。
イエスが私たちの生涯の旅の伴侶として共にいることは、遠藤周作のイエスの生涯に関する3つの著作における主要なテーマです。遠藤は繰り返し、「同伴者」という言葉を用います。この精神が、私たちがどこにいても、私たちの生涯に色を添えることを願います。

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